※グロテスクな表現がある箇所もあるかもしれないので、そう言ったことが苦手な方は読まずに
鷹の爪団とキティちゃんで癒されて下さい。

以前お話した「にっぽん´69 セックス猟奇地帯」のDVDの中で性倒錯者にえM男性が、
「痛みによる快楽か、それとも陵辱される快楽かどちらから言われると自分は陵辱される方で…」
と言っていたセリフ。
実は遠藤周作さんの短編集「月光のドミナ」の中のセリフを引用したそうです。
内容がとても気になったので例の如くアマゾンで購入しました。

内容はちっと詳しく話しますと
時代設定は第二次世界大戦前後。
戦後、小説家を目指す青年がパリの日本人留学生が集まるアパートメントで出会った、ある画家のマゾヒズム葛藤を描いた作品です。
画家の名前は「千曲」ちくま。
青年がアパートに初めて訪れた際に最初に出会ったのが千曲。
その姿は背が低く頭皮が薄く、顔色が鉛色をしていて、唇が妙に赤黒かった…。
門番がいないか青年は千曲に尋ねたが、千曲は怯えるように部屋に戻って行った。
あまりにも不気味だったので翌朝、青年は女中に千曲についてたずねた。
女中が言うには彼は誰とも交流を持たず。いつも一人…。
画家でいて部屋の前を通ると異臭がしモルモットを飼っている。
千曲はそんな男だった。
或る冬の日、青年は小説家となるべく、勉強の一環とし裁判所に出かけた。
その日の裁判は継子を虐待死させた女の裁判だった。
継子は普段から女に虐待を受けていて、ある日女が台所にガス栓をあけたまま継子を閉じ込め隣の部屋に男を連れ込んでいた。継子はそのまま死んだと言う内容である。
青年は裁判を聞いていたら傍聴人の前列に千曲を見つけた…。
青年は千曲に声をかけた。
千曲は非常にびっくりしていたが、女が住んでいた家の住所を既に調べており、この後その家に行くと言った。
青年も一緒に行くのだが、実際に女の部屋に入った瞬間、千曲の唇が更に赤黒くなったように見えた。青年はぞっとした感覚を覚えた。
千曲はその部屋で継子が折檻されている様を妄想し陶酔した。
青年は不気味に感じた。
後日、青年は千曲の部屋に無理やり押しかけた。
千曲は嫌がっていたが青年は容赦なく絵の事を聞いたり何故モルモットを飼っているか…写生しているのか聞いた。
千曲は「そうじゃないの。ぼくあ、子供の時からモルモットなんか、手で握ったときの感触が好きなのよ。」
と答えた。
青年は裁判の日の事と言い千曲のその行動に不快を感じ「千曲さん。あなたは変だ。そんなのやめなさい一種の情欲だ。女を抱くなり金を出して娼婦と寝るなり…もっと健全なやり方で処理すりゃいいじゃないか。」と怒鳴った。
千曲は「でも寝たくない人間はどうするの。」と返す
青年は聞く「なぜ、駄目なんだ。」
「君には分からない。」千曲は今にも泣き出しそうな顔をした。
青年は千曲はしゃべり方と言い彼は男色家なのかと思った。
その日から二人は口を聞く事もなく、ある日千曲は部屋から出て行っていた…。
数年後、青年は日本に戻り、小説家になっていた。
そんなあくる日、手紙が届いた。
それは千曲が小説家となった青年への長い長いノート上の手紙だった。
青年は不快に思いつつ読んだ。
そこには千曲がなぜ情欲的になっていったかの過程が描かれていた。
幼稚園の頃の、マドンナ的存在の幼女がいじめられた千曲を助けいつも一緒にいてくれた事。
幼女が土団子を作るのに土に唾を吐いていて作っている姿を横目で眺めていた。
その幼女が何度も膨らませて唾だらけになった風船が地面に落ちた時、そっと持って帰った事。
千曲は母親を早くに亡くした。株をしていた為お金には困っていなかった父親は、いつも女遊びにあけくれていて、ほとんど家にいなかった。
その為千曲は祖母の家に預けられていた事。
その家ではなぜか女の子の玩具を与えられ晴れ着を着させれていた。
千曲が小学校の頃、亡くなった母親の姉妹が東京の祖母の家に今で言う婚活の為に叔母がころがりこんで来た。
千曲はその叔母を見下し、祖母に叔母の告げ口をし悪意を持っていた。
千曲が祖母に告げ口をする度、叔母は祖母にいやみを言われているのを千曲は影で見ながら楽しんでいた。
ある日叔母が部屋に入ってきて、
静かな圧力で、こわばってはいるが美しい表情で、こう言った。
「座んなさい」
「手をだしなさい」
そのまま叔母は千曲の両腕を思いっきり爪で引っかき
「声を出立てるんじゃない」
その痛さで歯を食いしばっている千曲に残酷な笑顔を浮かべ
千曲に何でも言う事を聞くよう誓わせた。
千曲は思った。叔母にこのような形でまた愛されたいと。
そんな積み重ねがあり千曲の生涯を変えるべき…真髄なマゾヒズムと決定づけた出来事が中学生の時に起きた。
千曲が入試試験の準備の為、友人と大磯の漁師の家の二階を借りていた、夏のある夜。
どうしても寝付けなかったので千曲は海辺に散歩に出かけた。
海辺を眺めていると誰かが泳いでいる姿を見つける。
やがて陸に上がって来た…若い白人の女性だった。
一糸もまとっておらず顔をふって額を覆った栗色の髪をはらうと、長い脚で砕ける波をふみしめながら、ゆっくりと浜に近づいてきた。
月光がその人の濡れた髪や顔や、真っ白な立派な体に輝いていた。
千曲はその肩や乳房や脚に光っている玉のような水滴まではっきり見える気がした。
彼女は千曲の前に見つめながら立ち止まった。
長い間二人は黙っていた。突然、彼女は右手をあげると烈しい音を立て千曲の頬を撲った。
千曲はそのまま彼女の足元に倒れ込んだ。
千曲は痛みと同時に五体の隅々まで痺れるような不思議な感覚を伴った気がした。
悔しさも怒りも感じなかった。
なにか暗い世界に引き込まれ、落ちていくような…。人間が死後、すいこまれていくような涅槃なようなもの、
考える事もなく苦しむこともなくただ眠ることができる涅槃に似ていた…。
そして彼女の姿はもうなかった。
千曲の脳裏には「ドミナ」と言う言葉がその時、流星のように横切った。
そこから千曲の「ドミナ」と言う幻想をむなしく探し求める日々が続いた。
だが彼には、どれも偽りにしかなく、最終的に彼にとっては後戻りできないようなところに陥ってしまた。
それがどんななのか具体的に描写はされていなかったが
ある同じような気持を持った男性から招待状を受けその最終手段を求めるべき、とロック婦人の屋敷に入った時、案内人の青年が
「君は苦痛の方ですか。陵辱の方ですか。」と千曲にたずねた。
千曲は戸惑いながらも「僕は後者です。」と答えた。
千曲は屋敷の部屋の一角で膝に手のせしばらく座ってまっていた。
やが廊下の遠くの方から、足音がコツコツ…と聞こえてきた。
その屋敷に通う男性は、どす黒い顔をしており、目のふちに黒い隈ができていた。千曲は思った。
求めていたドミナを見つけることはなく、やがて自分も彼らと同じような姿になっていくのだろうと…。
昭和32年に描かれた作品です。
もちろん実際は、もっともっと情緒的に、遠藤周作さんだからこそ描ける表現力が盛りだくさんです。
この話を読んで、ある人物を思い出すにはいられません。
個人的には許せる事ができない人です。
彼も千曲たちと同じフランスに留学しており千曲と同じような風貌です。
そして愛おしい思った女性を殺め食したと言う男性です。
当時の精神鑑定で彼は無罪になりました。
だけど彼は愛おしい女性と生涯二度と会うことはできません。
直接お話する機会があったのですが彼は私に言いました。
「今みたいに助けを求められるところが、あったら僕はあんな事はしなかったかもしれない
。だけど誰にも打ち明けられず、当時の僕にはあれしかできなかった。今でも後悔している。」
そんなの単なる言い訳でしょ。この殺人鬼…
と私の心の底にそんな気持があったのは確かです。
…と同時に、身体の医学は発展しつつも、人の心に対しては、まだまだ未発達なんだなと実感しました。
行き着く道は違ったと言え千曲も彼と同じだったのかもしれません。
どんなにきれいごとを言っても人は平等ではないのは確かです。
だけど健全に生きる資格は誰にでもあるし、そう思おうと言う意思を持つ努力も時には必要です。
その努力の手助けをミストレスと言う手段で出来たらと…。
時にはそう考える事もあります。
鷹の爪団とキティちゃんで癒されて下さい。

以前お話した「にっぽん´69 セックス猟奇地帯」のDVDの中で性倒錯者にえM男性が、
「痛みによる快楽か、それとも陵辱される快楽かどちらから言われると自分は陵辱される方で…」
と言っていたセリフ。
実は遠藤周作さんの短編集「月光のドミナ」の中のセリフを引用したそうです。
内容がとても気になったので例の如くアマゾンで購入しました。

内容はちっと詳しく話しますと
時代設定は第二次世界大戦前後。
戦後、小説家を目指す青年がパリの日本人留学生が集まるアパートメントで出会った、ある画家のマゾヒズム葛藤を描いた作品です。
画家の名前は「千曲」ちくま。
青年がアパートに初めて訪れた際に最初に出会ったのが千曲。
その姿は背が低く頭皮が薄く、顔色が鉛色をしていて、唇が妙に赤黒かった…。
門番がいないか青年は千曲に尋ねたが、千曲は怯えるように部屋に戻って行った。
あまりにも不気味だったので翌朝、青年は女中に千曲についてたずねた。
女中が言うには彼は誰とも交流を持たず。いつも一人…。
画家でいて部屋の前を通ると異臭がしモルモットを飼っている。
千曲はそんな男だった。
或る冬の日、青年は小説家となるべく、勉強の一環とし裁判所に出かけた。
その日の裁判は継子を虐待死させた女の裁判だった。
継子は普段から女に虐待を受けていて、ある日女が台所にガス栓をあけたまま継子を閉じ込め隣の部屋に男を連れ込んでいた。継子はそのまま死んだと言う内容である。
青年は裁判を聞いていたら傍聴人の前列に千曲を見つけた…。
青年は千曲に声をかけた。
千曲は非常にびっくりしていたが、女が住んでいた家の住所を既に調べており、この後その家に行くと言った。
青年も一緒に行くのだが、実際に女の部屋に入った瞬間、千曲の唇が更に赤黒くなったように見えた。青年はぞっとした感覚を覚えた。
千曲はその部屋で継子が折檻されている様を妄想し陶酔した。
青年は不気味に感じた。
後日、青年は千曲の部屋に無理やり押しかけた。
千曲は嫌がっていたが青年は容赦なく絵の事を聞いたり何故モルモットを飼っているか…写生しているのか聞いた。
千曲は「そうじゃないの。ぼくあ、子供の時からモルモットなんか、手で握ったときの感触が好きなのよ。」
と答えた。
青年は裁判の日の事と言い千曲のその行動に不快を感じ「千曲さん。あなたは変だ。そんなのやめなさい一種の情欲だ。女を抱くなり金を出して娼婦と寝るなり…もっと健全なやり方で処理すりゃいいじゃないか。」と怒鳴った。
千曲は「でも寝たくない人間はどうするの。」と返す
青年は聞く「なぜ、駄目なんだ。」
「君には分からない。」千曲は今にも泣き出しそうな顔をした。
青年は千曲はしゃべり方と言い彼は男色家なのかと思った。
その日から二人は口を聞く事もなく、ある日千曲は部屋から出て行っていた…。
数年後、青年は日本に戻り、小説家になっていた。
そんなあくる日、手紙が届いた。
それは千曲が小説家となった青年への長い長いノート上の手紙だった。
青年は不快に思いつつ読んだ。
そこには千曲がなぜ情欲的になっていったかの過程が描かれていた。
幼稚園の頃の、マドンナ的存在の幼女がいじめられた千曲を助けいつも一緒にいてくれた事。
幼女が土団子を作るのに土に唾を吐いていて作っている姿を横目で眺めていた。
その幼女が何度も膨らませて唾だらけになった風船が地面に落ちた時、そっと持って帰った事。
千曲は母親を早くに亡くした。株をしていた為お金には困っていなかった父親は、いつも女遊びにあけくれていて、ほとんど家にいなかった。
その為千曲は祖母の家に預けられていた事。
その家ではなぜか女の子の玩具を与えられ晴れ着を着させれていた。
千曲が小学校の頃、亡くなった母親の姉妹が東京の祖母の家に今で言う婚活の為に叔母がころがりこんで来た。
千曲はその叔母を見下し、祖母に叔母の告げ口をし悪意を持っていた。
千曲が祖母に告げ口をする度、叔母は祖母にいやみを言われているのを千曲は影で見ながら楽しんでいた。
ある日叔母が部屋に入ってきて、
静かな圧力で、こわばってはいるが美しい表情で、こう言った。
「座んなさい」
「手をだしなさい」
そのまま叔母は千曲の両腕を思いっきり爪で引っかき
「声を出立てるんじゃない」
その痛さで歯を食いしばっている千曲に残酷な笑顔を浮かべ
千曲に何でも言う事を聞くよう誓わせた。
千曲は思った。叔母にこのような形でまた愛されたいと。
そんな積み重ねがあり千曲の生涯を変えるべき…真髄なマゾヒズムと決定づけた出来事が中学生の時に起きた。
千曲が入試試験の準備の為、友人と大磯の漁師の家の二階を借りていた、夏のある夜。
どうしても寝付けなかったので千曲は海辺に散歩に出かけた。
海辺を眺めていると誰かが泳いでいる姿を見つける。
やがて陸に上がって来た…若い白人の女性だった。
一糸もまとっておらず顔をふって額を覆った栗色の髪をはらうと、長い脚で砕ける波をふみしめながら、ゆっくりと浜に近づいてきた。
月光がその人の濡れた髪や顔や、真っ白な立派な体に輝いていた。
千曲はその肩や乳房や脚に光っている玉のような水滴まではっきり見える気がした。
彼女は千曲の前に見つめながら立ち止まった。
長い間二人は黙っていた。突然、彼女は右手をあげると烈しい音を立て千曲の頬を撲った。
千曲はそのまま彼女の足元に倒れ込んだ。
千曲は痛みと同時に五体の隅々まで痺れるような不思議な感覚を伴った気がした。
悔しさも怒りも感じなかった。
なにか暗い世界に引き込まれ、落ちていくような…。人間が死後、すいこまれていくような涅槃なようなもの、
考える事もなく苦しむこともなくただ眠ることができる涅槃に似ていた…。
そして彼女の姿はもうなかった。
千曲の脳裏には「ドミナ」と言う言葉がその時、流星のように横切った。
そこから千曲の「ドミナ」と言う幻想をむなしく探し求める日々が続いた。
だが彼には、どれも偽りにしかなく、最終的に彼にとっては後戻りできないようなところに陥ってしまた。
それがどんななのか具体的に描写はされていなかったが
ある同じような気持を持った男性から招待状を受けその最終手段を求めるべき、とロック婦人の屋敷に入った時、案内人の青年が
「君は苦痛の方ですか。陵辱の方ですか。」と千曲にたずねた。
千曲は戸惑いながらも「僕は後者です。」と答えた。
千曲は屋敷の部屋の一角で膝に手のせしばらく座ってまっていた。
やが廊下の遠くの方から、足音がコツコツ…と聞こえてきた。
その屋敷に通う男性は、どす黒い顔をしており、目のふちに黒い隈ができていた。千曲は思った。
求めていたドミナを見つけることはなく、やがて自分も彼らと同じような姿になっていくのだろうと…。
昭和32年に描かれた作品です。
もちろん実際は、もっともっと情緒的に、遠藤周作さんだからこそ描ける表現力が盛りだくさんです。
この話を読んで、ある人物を思い出すにはいられません。
個人的には許せる事ができない人です。
彼も千曲たちと同じフランスに留学しており千曲と同じような風貌です。
そして愛おしい思った女性を殺め食したと言う男性です。
当時の精神鑑定で彼は無罪になりました。
だけど彼は愛おしい女性と生涯二度と会うことはできません。
直接お話する機会があったのですが彼は私に言いました。
「今みたいに助けを求められるところが、あったら僕はあんな事はしなかったかもしれない
。だけど誰にも打ち明けられず、当時の僕にはあれしかできなかった。今でも後悔している。」
そんなの単なる言い訳でしょ。この殺人鬼…
と私の心の底にそんな気持があったのは確かです。
…と同時に、身体の医学は発展しつつも、人の心に対しては、まだまだ未発達なんだなと実感しました。
行き着く道は違ったと言え千曲も彼と同じだったのかもしれません。
どんなにきれいごとを言っても人は平等ではないのは確かです。
だけど健全に生きる資格は誰にでもあるし、そう思おうと言う意思を持つ努力も時には必要です。
その努力の手助けをミストレスと言う手段で出来たらと…。
時にはそう考える事もあります。

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